サムゴーギャットモンテイプ

お友達作りインタビュー
-guizillen 佐藤辰海さん編-

小劇場界に友達がいないことで知られるサムゴーギャットモンテイプですが、それではいかん、もっと友達増やさないかんと思いまして。作・演出の勉強もかねて、色々な人にインタビューする企画を立ち上げました。

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初回のゲストは、サムゴーギャットモンテイプとも馴染のあるguizillen主宰の佐藤辰海さん!

インタビューの勝手が分からず、飲みながら1時間半ほど話し込んでしまったため、泣く泣く大幅カットしてお送りいたします。
面白い話たくさん聞けたのに!佐藤さんごめんなさい!

佐藤辰海プロフィール(自己申告)

guizillenの作・演出。
大田区と汁なし担々麺が好き。
多摩川園出身。田園調布ルーテル幼稚園卒。
美少女に生まれ変わってモテモテになって承認欲求を満たしまくるのが夢。
切れ痔。

佐藤さんのルーツ的な話


山並: 佐藤さんのルーツ的なものってなんなの?

佐藤: ルーツ!

山並: 「土木座」は色々引用があったけど

佐藤: ああ、パロディは多いですね

山並: そうそう。なんだろう、guizillen見てると見え隠れする佐藤さんのフェチさみたいなのがあるから。元々は役者で(演劇)始めたの?

佐藤: いや、役者は、、元々はというか子供の頃とか全然、興味なくて。元々始めたのは役者だったんですけど、それも大学入って演劇部に入ったから、だったんですけど。演劇部に入った理由も紆余曲折、あるんですけど。紆余曲折はねえか。

僕、幼稚園くらいの頃は画家になるって自分で思ってて。小学校の頃も思ってて。
中学校の頃もそう思ってて。絵、描くのが好きだったんですけど。絵で悩んで鬱屈とした時期が思春期にありまして。自分が描く絵をあんまり人に見せたくないみたいな気がして。でも人に評価されると気持ちいい、みたいなアンビバレンツな気持ちがかち合っちゃったりとか。描きたい絵とか評価される絵って、たぶん上手い絵なんですけど、でもそこで上手いってなんだろうっていう思春期にありがちなスランプに陥ったりして。

そうやって悩んでるうちに努力を怠ったんで、、昔、小学生中学生の頃は、俺くらい絵が描ける同世代もなかなか居るまい、ぐらいの、幼稚園の頃は間違いなく俺はゴッホの生まれ変わりだ、くらいに思ってたんですけど、気付いたら同世代に自分より上手い人とか、恥ずかしげもなく人前で絵を描けて、描きたい絵っていうのを描けて、評価も受けられて、みたいな人たちがいるのを見て、なんか描けなくなっちゃったんですよね。
昔は親の目を盗んで夜更かしして絵を描いてはそれをこっそり隠して、朝が来たら学校行ってみたいなことをやってたんですけど。ルーツ的な話で言うと、それが元々あったんじゃないかな-。

でも挫折しちゃって。まったく絵を描かなくなったんですよね。高校卒業くらいで。それで高校卒業くらいで、職業選択じゃないですけど、どの大学行くとかどういう仕事に就きたいとか考えるじゃないですか。

僕、なりたい仕事もなくて。強いて言うなら小学校の図工の先生になりたいと思ってたんですけど。そのためにはたぶん美大に行って、みたいなのが必要で。でも美大に行くほど絵も上手くないし。美大に行くほど改めて絵を努力したいとも思ってなかったので。
それで、せめて美術の歴史とか、作家のこととか勉強できる大学に行こうと思って、明治学院大学の芸術学科に入って。お勉強の方の美術を専攻して。
それで演劇を始めたきっかけが、、絵をやめたけど、それに関わることは手放せなくて。たぶん、絵に代わることじゃないですけど、欲しかったんだと思うんですよね。絵を描かなくなった瞬間に、自分が出来るものってもう、何もなくって。音楽聴くの好き、とかはあったけど。



他に何かの才能があるわけでもなかったんで、、どうしようかなって思ってたときに、、高校2年のときに文化祭があって。 それでクラスで演劇やることになってたんですよ。
それでこれはどうでもいい話なんですけど、僕高校1年生から2年生の間、日本に居なくって。留学してたんですよ。
都立高校に通うと、都が助成金みたいなのを出してくれて留学に行けるっていうのがあって。 「留学に行く気なんで」みたいなことを言ったがために、国際色豊かな校風にしたかった僕が通ってた都立高は、推薦で合格をくれる、みたいな。それでまあ、行ったんですけど。

で、帰ってきたら大体みんな役が決まってて。一個だけ決まってないのがオカマの役だったんですよ。ありがちですけど。それで、じゃあまあ、それしか空いてないならやるよって言って。
それでいざやったら、高校生のクラスの文化祭なんて、みんな恥ずかしがってわざと下手くそにやったりとか、棒読みにやったりとかするじゃないですか。
でもそれ逆に恥ずかしいだろって思って。僕はせめて恥ずかしくないぞっていうのを示すためにノリノリでやろうと思ったら、ちょっとそれが学内で軽い評判みたいになって。「佐藤がやってた役が面白かった」みたいになって。

それで学校の先生も、君は役者の道を目指してるのか?って聞いてくるようになったんですよ。全然そんなことなかったのに。 興味がないかと言われると、なかったけど、、うーん、なかったこともないのかな?あんまり意識はしてなかったんですけど、、
そしたら世界史の先生が、おじいちゃんの先生なんですけど、「昔の教え子で、今俳優をやってるやつがいるから、そいつを学校に呼んで色々話すといい」って言ってくれて。

山並: え、そんなトントン拍子に話が?

佐藤: すごい良くしてくれて。世界史すごい好きだったんで、ありがとうございますってなって。
それで来てくれた役者さんが平田広明さんっていう方で。ジョニーデップの吹き替えとかワンピースのサンジの声をやってる方で。

山並: すごいじゃないですか!

佐藤: 赤いスポーツカーに乗って高校までやってきて、良い声で色々話を聞かせてくれるんですよ。

(平田さんが)勉強嫌いで高校卒業しても就職も出来ねえ大学も行けねえ、みたいなときに、当時の教育主任が知り合いの劇団昴に連れてって、「ここで根性叩き直してもらえ」って言われて劇団始めて、そしたら今こんな感じ!みたいな(ことを言われて)。
へー!そんな感じで始めてもこれだけ大成してる人がいるんだ。ちょっと興味わいてきたな、やってみようと思って。
じゃあ大学入ったら、演劇部があったら入ってみようかな、つまんなかったらやめればいいしって思って。

それで未練がましく美術部にも入って。美術部と演劇部、両方入って活動し始めたら演劇部が楽しくなっちゃって。それで2年生、ハタチくらいのときですかね、たまたま大学の先輩(OB)の方がやってらっしゃる劇団に客演させてもらったのがきっかけで、架空畳の小野寺さんに出会って。
小野寺さんに誘われて架空畳に客演させてもらって。初めての(大学)外部の客演先が、架空畳で座・高円寺だったんですよ。それでなんか、広い舞台でやるのに味をしめてじゃないですけど、わー!楽しいな、演劇部とは全然違う!ってなって。

演劇部は部活だったんで。遊びサークルみたいな。演劇を研究もしてなかったし。でも客演出るとやっぱり、怒られるときは怒られるし、課題はあるし、、楽しいなーってなって。
そこで欲が出たというか、演劇続けようみたいな気持ちになっちゃったんだと思いますねー。

山並: 架空畳がきっかけな感じ。

佐藤: そうですねー。あれが楽しかったっていうか。なかなかないですからねー、大学入ってお芝居始めたてで座・高円寺。

架空畳はアンサンブル使わないんで、10人弱いる役者の1人だったんで、それはもうもちろんボコボコに怒られたりとかしたんですけど。

脚本の書き方


佐藤: 僕パソコン持ってないんですよ。ポメラも持ってない。漫画喫茶で台本書いてる。

山並: え!?マジで!

佐藤: コピー代とかで僕の生活が圧迫されてて。

山並: 1枚5円10円とか。

佐藤: ダイソーとかスーパーとかドラッグストアとかで刷って。

山並: パソコン買いましょうよ。

佐藤: パソコン、高いじゃないですか。

山並: いや、今だったら2万円くらいで買えますよ。

佐藤: そうなんだ。

山並: ワード使えればいいだけだったら1、2万円くらいで買えるし。プリンターなんて今時1万円以下でいいやつ買えるから。

佐藤: そうですね…。

山並: 脚本の書き方って聞きたかったけど、まさか漫喫で書いてるとは…

佐藤: 最寄りの漫喫が完全個室なんですよ。完全防音、完全個室。

山並: でもそれって、漫喫代も相当いくでしょ

佐藤: たぶんパソコン何台か買えますね。早めに買っときゃ良かったんですけどね。

山並: ローンか何かで買っちゃたほうが。

佐藤: 僕ら個人が生活が破たんしてまして。あのー、本当に社会性ゼロ、みたいな。

山並: 無頼派だ。

佐藤: はい、無頼派だったら良かったんですけど。本当は頼りたい。本当はもうちょっとちゃんとしたいんですけど、

ちゃんとできない遺伝子みたいなのが組み込まれてて…そのせいで、パソコン=高いものだから買えないね、みたいな。

山並: 20年前の子供みたいだな。

佐藤: プロットみたいなのもiPhoneのメモ帳か、終わった公演の台本の裏の紙とかに、ばーっとペンで書いて。
それをコメダ珈琲でちょっとまとめて、それを漫画喫茶に持ち込んで打ち込む、みたいな。

山並: コメダ珈琲でプロットたてるなら、パソコンちゃんと買った方がいいと思うよ…

guizillenの今後の話




山並: guizillenの今後は?

佐藤: 第5回までは本当に流れで、前回こうだったからこうで今これがやりたいからこうでってやってたんですけど。
小劇場界ではみんな、計画的に動いてんなーじゃないですけど、1年後の劇場を取れるのってすごいなって。 だって1年後芝居辞めてるかもしれないじゃんみたいな。やってる確信があるのかな?みたいに(以前は)思ってて。

まあでも、ここまでやって、芝居続けようって思ったし。2~3年くらい前まで僕も30歳位を節目に 芝居で飯が食えてなかったら芝居やめよーと思ってたんですけど、今はこれっぽっちも考えてない。
30歳になって飯が食えてなかろーが、芝居やめられるわけないなと思って。 芝居やめて就職できるかっていうとたぶんできないし。

山並: 俺も今そんな感じ。芝居楽しいし、売れなくても楽しくやっていけたらなーって。

佐藤: 楽しくやりたくてやってて、今までも楽しくやってこれたんでこれからも楽しくやっていけたらなーと思って。
劇団員も増えたし、ありがたいことにお客さんもちょっとずつ増えて行って、楽しいのビジョンの中に、 たぶんちょっと大きいところでやるとか、お客さんがいっぱい来てくれるっていうのがあって。
じゃあ作風を変えようっていうのは全然思わないけど、今のやり方でどこまでいけるかなーと。 せめて劇場ちょっと早めにとろうかなって。

山並: (今年の公演が)10月、12月って、だいぶ攻めてきたね。

佐藤: そもそも10月と12月両方劇場取った時点で、めちゃくちゃ劇団員に怒られた。

山並: 片腹さんに、もめたって聞きました。

佐藤: いやーごめんなさい、みたいな。でも大事だと思うんですよ。自分に運営とか経営のセンスがないので、劇団員のみんなが止めてくれないと止まらないんですけど。
止められたところで結局止まらない。うるせー、だったら脚本書くのやめるぞコノヤロー!って。 両方の気持ちがあるんですよ。俺の、やりたいってわがままに付き合ってくれて。
給料も出ないのに。ありがとね、みたいな気持ちもある反面、 「俺がやめるって言ったらなくなるんだぞ!この劇団は!」みたいな乱暴な気持ちと両方あって。

次回公演「在り処」について


佐藤: 5月は片腹さんが主演なんですけど、ちょっと変わった話なんで、あらすじなんて説明できない・・

山並: 俺も通し稽古を見て思った。これ、どうやって宣伝すればいいんだって。

佐藤: 僕らもすごい今困ってて 狭い劇場なんで開き直って、「guizillenだから」みたいな理由で来てくれたらいいなと思ってるんですけど。 新しい挑戦でもあるんですよね。

山並: こんな引き出しが、みたいな。

佐藤: 今までやってなかったこと一回やりたいなと。試しに。自爆覚悟じゃないですけど、 失敗してもいいかなーって、いや、これ宣伝の逆効果だ。
そんくらいの気持ちでやったことなくって。これまでずっとびくびくしてて。いかに赤字を抑えるか、みたいな。 結局赤字は赤字なんですけど、みたいなことやってたんで。一回開き直って、試しにやってみたいことやってみます。

山並: 通し(稽古)、面白かったよ。あとは片腹さんにかかってますね。

佐藤: この後片腹さんは稽古場で何回か泣くことになると思うんですけど。でも大丈夫、僕も泣くんで。

山並: 優しい!

佐藤: どうなるのか僕自身も分からないけど、あらすじとか言えない公演にしちゃったんで。 逆にそこに興味もってくれればいいなって。

山並: シークレットguizillen的な。

佐藤: そうですね。その次はわー!みたいな公演になってると思うんで。

山並: とりあえず5月楽しみにしてます。

佐藤: きっと楽しんでもらえるようにします。半分くらい見ちゃってる山並さんにも楽しんでもらえるように。

■guizillen 6llen「在り処」情報


guizillen 6llen「在り処」

【日程】
平成29年5月3日(水)~7日(日)

【公演日程】
3日(水) 19時
4日(木) 13時/19時
5日(金) 13時/19時
6日(土) 13時/19時
7日(日) 12時/17時
各回受付開始・開場は開演の30分前より

【チケット料金】
前売券/当日券…2,500円
女子高生割引券…500円
※女子高生割引をご希望の方は当日学生証をご提示ください。
 本公演のチケット料金は当日清算のみの受付となります。
 あらかじめご了承ください。

【出演】
片腹年彦 (guizillen)

関大輔(EgofiLter)
江花実里(架空畳)
田村友紀(架空畳)

黒澤風太
末安陸(guizillen)
渡辺敏康(guizillen)
門田友希(guizillen)
佐藤辰海(guizillen)

【お問い合わせ】
mail: guizillen@gmail.com

【会場】
新宿サニーサイドシアター@新宿

詳しくはguizilen HPへ!

お問い合わせ先

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